9月15日乙女座の新月を迎えて、「この新月でのテーマは?」とおとぎ話ルノルマン・カードに聞いたところ、上の写真の【山】のカードが出ました。女性が等身大の鏡を覗き込んでいて、鏡にはその女性のような誰かが映し出されようとしているシーン。このカードは、グリム童話の白雪姫がモチーフになっています。カードのメッセージは自分の野心を抑えてもっと他人を尊重しましょうです。グリム童話の白雪姫をよく読んでみることにしました。
グリム童話 白雪姫あらすじ
ある国のお妃は「雪のように真っ白で、血のように赤い頬と唇で、黒檀のような真っ黒の髪をもつ子供が生まれたらよいのに」と心に浮かべた願い通りのかわいらしい王女を産み白雪姫と名付けました。白雪姫が生まれて間もなくお妃は亡くなり、王様は二度目のお妃を迎えました。この人は美しい人でしたが、高慢で自分こそが世界で一番美しいと信じていました。
お妃は不思議な鏡を持っていました。鏡の前で「鏡よ鏡よ この国じゅうで一番美しいのは誰かしら」と話しかけると「お妃様、あなたがこの国じゅうで一番美しい」と答えるので、お妃は満足な日々を送っていました。
白雪姫が7歳になったなったある日、お妃が例によって鏡に尋ねると「お妃様、ここではあなたが一番美しい。でも、白雪姫はあなたの千倍美しい」と答えました。これを聞いたお妃は、妬みで黄色になったり青くなったり、はらわたをちぎられる気になり白雪姫を憎みました。妬みと高慢が日に日に募り、夜も昼も心の休まる暇がなくなったお妃は、猟師を呼び出し「白雪姫を殺して証拠として肺と肝臓を持ってきて見せなさい」と命じました。猟師はお妃の言いつけ通り、白雪姫を森へ誘い出しましたが、「もう決して家へは帰りませんから、命だけは助けてちょうだい!」としくしく泣き出し頼みました。白雪姫が本当にきれいだったので、猟師は姫に同情し森の中に置き去りにしました。この森の中では、すぐにでも獣の餌食となってしまうだろうと思いましたが、自分の手にかけずに済んだのでほっとしたのでした。証拠の品として猪の肺と肝臓を持ち帰ると、お妃は大喜びで塩茹でにして食べてしまいました。
森に残された白雪姫は、7人の小人たちに出会い生活を共にするようになりました。小人たちは「きみは僕たちの家の世話をして、料理を作って、洗濯をして、縫物をして、何もかもきちんときれいにしておいてくれたらここに居てもいいよ。そしたらきみには不自由をさせないよ。」と言いました。白雪姫は「喜んで」と答えました。
毎日、小人たちは朝になると山に行き、鉱石と金を探し、夕方戻ってきました。日中は白雪姫はたった一人で過ごすため、小人たちは「継母はもうじき気づくに違いないから、誰が来ても決して家へ入れるんじゃないよ」と注意して言いました。一方でお妃は、自分が国じゅうで一番美しいと思い込んで鏡に尋ねましたが「7人の小人のところの白雪姫が一番美しい」と答えが返ってきました。
白雪姫がまだ生きていることを知ったお妃は、年をとった物売りに変装して、小人たちの留守に美しい絹の紐を売りつけました。その紐で白雪姫をきつく結んで息を絶えさせてしまいました。夕方に帰ってきた小人たちは、きつく結ばれている紐を切って息を吹き返させました。白雪姫が生き返ったことを知ったお妃は、別のお婆さんに変装して、毒を仕込んだ櫛を売りに出かけました。その櫛がとても気に入った白雪姫は、だまされてお婆さんを家の中に入れてしまいました。何も考えなかった白雪姫は、お婆さんのする通りに任せたために、櫛の毒が頭に刺さり気を失って倒れてしまいました。幸いにも間もなく帰ってきた小人に櫛を抜いてもらい正気にかえりました。またもや白雪姫が生き返ったことを知ったお妃は、今度は百姓女に変装して、毒を仕込んだリンゴをこしらえ白雪姫を訪ねました。リンゴが欲しくてたまらなくなった白雪姫は、我慢が出来ずにリンゴをかじり息絶えました。やがて帰ってきた小人たちは、あらゆる手を尽くしましたが、白雪姫が生き返ることはありませんでした。三日間泣き続けた小人たちは、白雪姫を土の中に埋めることはできないとガラスの棺に入れました。
あるとき、ある国の王子が森に迷い込み、小人の家に泊まりました。王子は棺を見つけ「この棺を僕にください。あなた方の望みの品を何でも上げます。白雪姫を見ないでは生きていられないのです。」と訴えます。人のいい小人たちは、王子に同情し棺を王子に渡しました。棺を担いでいた王子の召使いが木につまずき、棺が揺れた拍子に 喉に詰まっていたリンゴのかけらが飛び出して白雪姫は生き返ったのでした。
白雪姫は王子が気に入ったので、王子と一緒にお城に行き結婚式を盛大に行いました。その祝いの席にはお妃も招かれていました。炭火の上に置かれた鉄のスリッパがお妃の前に据えられました。真っ赤に焼けたスリッパを履かされたお妃は、地に倒れるまで踊り続けるよりほかなかったのでした。
自分の野心を抑えてもっと他人を尊重しましょう
「雪のように真っ白な肌で─」と強い願いをかけて、その通りの子供を産んだ実母。はらわたをちぎられるような妬みに狂い、自分が一番という野望を捨てることができずに最後は炎に焼き尽くされる継母。猟師の情に訴えかけて助けてもらった白雪姫。白雪姫を森に一人置き去りにしたら「獣の餌食になってしまう」と知りながら、自分の手にかけずに済んでホッとした猟師。家事の一切をきちんとこなしてくれたら此処に居てもいいという小人たち。小人たちとの約束を守れずに、目の前の美しい紐や櫛、リンゴに我慢できずに手を出してしまう白雪姫。小人たちからの同情を買い、望みの品と交換に白雪姫の棺を城に持ち帰った王子。
いろんな教訓やツッコミどころがありそうですが、私が心に引っかかったのは、白雪姫と王子がそれぞれ同情をかう場面です。きっと自分の中の同じ心理が引っ掛かりとなって浮上しているのだと思います。こういう童話もまた自分を写す鏡のようです。
今日も未来につながる充実した一日になりますように。